✳︎骨盤と体幹のゆがみ について正しい知識(上位・下位交差症候群)
本来骨盤は人体最大の内臓保護固定関節であるため骨盤単体で歪むことはなく「骨盤矯正」という医学用語はありません。
骨盤の周りは強靭な靭帯で補正されているため、この靭帯由来の拘縮伸張による脊椎や骨盤の傾きを一般的に歪みと称されます。(人の骨盤の高さ脚長は運動生理学的に若干の左右非対称が普通です。)瞬間的に捻った時ゴクッとなるのは靭帯の中に溜まっているガスが抜けた音でそれ自体で骨盤が動くという訳では無いのですが音と衝撃は脳内のドーパーミンが放出される為気持ちよく感じます。
骨盤の傾きは男性より女性の方に現れやすいです。これは出産のため女性の骨盤は空洞が大きく、特に女性ホンモンの影響により軟骨靭帯が開きやすい骨格になっていることに派生します。骨盤は夜に開き朝方に閉まるのが普通です。
妊娠中はホルモン(リラキシン)により開いた状態にあり、出産後4ヶ月ほどで完全に自然に閉まるわけですが出産直後は靭帯が不安定なため歩行、育児の際、あぐら、横坐り、などで片側の筋肉が硬くなり背骨や骨盤が傾いてしまうケースがあります。出産後は重い荷物を持たない横座りをしない安静が本当に大切です。
骨盤はオキシトシンの働きにより2〜3ヶ月でしっかりと自然に閉まりますから半年くらい過ぎてから骨盤周りストレッチをする事で、しばらく使われていなかった筋肉が目を覚まします。。
大事なポイント
☆骨盤は固定関節で
内転筋筋力の低下によるO脚。
☆骨盤が歪むではなく筋力低下による前後ろのアンバランス。
☆股関節の外側変位は出産直後の過運動が原因。
☆帝王切開でも産後1ヶ月は骨盤が緩みます。
☆出産後しっかりと骨盤ベルトをするセルフケアが最も肥満、腰痛防止に有意です。
☆脚の長さは生理運動学的に、左右非対称が普通。
☆普段の姿勢は踵少し前の重心、股関節と大胸筋の筋肉を和らげると骨盤は真っ直ぐになります。
☆スウェーバック(骨盤の前傾シフト)姿勢により、腰椎が前方に引っ張られ骨盤の筋膜張筋、ハムストリング、腸腰筋が硬くなってO脚の原因になります。お尻を後ろに突き出したスクワットを毎日する事で骨盤の傾きは改善されます。
骨盤は腰痛予防、肥満予防のパワーポイントです。だからこそ正しい知識を理解されて施術を受けて下さい。
※反り腰の人は、重心がつま先側にいき、胸を前に張り出し太ももの前や横が張りやすくなる特徴があります。